|
||
このカートが、このコーナーの教材です。 YAMAHA RC100SC カートが違ってもだいたいセッティングの方法は同じなので、 御自分のカートに照らし合わせて考えてください。 |
||
|
||
まず、セッティングで一番簡単で、 しかも頻繁に変更するトレット(タイヤからタイヤまでのの幅)から行きましょう。フロントからです。 まず、矢印のナットを外しましょう。(22mm)外したら、タイヤが取れますね。 取れたらカラーが入っているはずですので、外に何枚か?中に何枚か?御自分のカートには何枚入ってたか覚えておいてください。 このカラーを中を多くするとワイド(広く)に。 少なくしていくとナロー(狭く)になります。 |
||
|
||
外した状態です。 このカートには、中に小2大1が入ってます。 外には大2小1になってました。 |
||
|
||
これが外す前の状態です。小2枚大1枚分のトレットです | ||
|
||
そして、これが大2枚小2枚分のトレットです。一枚分広がっています。 | ||
|
||
トレットの幅の替え方は分かりましたか? 次はちょっと高度な車高の変更方法です。 写真の矢印にワッシャーが入ってるのが分かりますか? これを下に多く入れると車高が下がり上に多く入れると車高が上がります。 つまり、ナックル(タイヤが付いてるシャフトのこと)の位置は変えられませんから、ワッシャーの増減で車体の高さを変更するわけです。 車高の高さで荷重をフロントに寄せたり、リヤに振ったりフレームのたわみを制御できます。フロント回りはこのぐらいです。 次は、リヤトレットです。 |
||
|
||
リヤトレットはまずタイヤを外しましょう。 写真の丸く目印してあるナットかボルトをゆるめてください。 |
||
|
||
丸印の中のボルトを緩めるとタイヤが外れます。 そして、タイヤが付いていた所(ハブといいます)を スライドすることによってリヤのトレッドを変えるわけです。 |
||
|
||
トレッドに関してですが、良くコースでリヤもフロントも目一杯ワイドにして走っている人を見掛けますが、殆どの場合それは間違いです。 カートの場合トレッドが広ければ広いほどタイヤがグリップするか?と言うと、そういう訳ではありません。 逆に狭い方がタイヤに係るトラクションは大きく、簡単に言えば『グリップする』と言えるでしょう。 しかし狭すぎると、コーナリング中の安定性が無く、『急にグリップを失う』感じになり、タイムが安定しません。 バランスが非常に大事と言えるでしょう。 (あまり難しいことを書いてもこのコーナーを読んでる人達が訳が分からなくなるといけないので難しいことは省きます。 どのようにすればセッティングが変更できるかと言うことだけ見てください) |
||
|
||
次はシート位置の説明です。 カートの場合シート位置が大変重要です。 カート自体の重量が60kg強しかないのに60kgの人間が乗ってしまうので、 重量バランスのうえで大変なウエイトを占めています。 写真の矢印はリヤシャフトからシートてっぺんまでの距離です。 その他にフレームの先端からシートの先までの距離も測ります。 高さはフレーム下どのくらい出ているかを測ります。 |
||
|
||
位置、角度、高さ、など、どれを取っても非常にシビアに取り付けなくてはなりません。 具体的なシート位置はメカニックや運転している人によって違うのでここでは具体的には触れません。 あっと、いくらシート位置が良くても乗ってる人のポジションが良くないとシート位置が生かしきれませんよ。 |
||
|
||
カートの場合クラスによって最低重量が決まっていますので、最低重量に満たない人はウエイトを積みます。ウエイトの積む位置も重量バランスに影響しますね。 |
||
|
||
次にフレーム剛性に関してです。 カートの場合サスペンションが無いのでフレームがたわむ事によってサスの代わりをしています。ですからフレームの剛性もセッティング要素の一つになります。 フレーム剛性はどうやって変えるかと言うと、まず、リヤバンパーやフロントバンパーのボルトの締める強度で変わります。(強く締めるとフレーム剛性が高くなる)その他にシートの補助ステー追加やフロアパネルの取り付けボルトの締め具合などでも変わりますね。 一般にタイヤのトラクションが極端に足りない時(雨など)緩める事が多いです。 |
||
|
||
その他には、ギヤ比のセッティングやマフラーの長さを変えトルクバンドの変更(パワーがアップするわけではない)をするジャバラなどがあります。 写真はジャバラの画像です。 矢印の長さを変更してトルクバンドの変更をします。 短いと高回転に、長いと低速にピークが振っていきます。 |
||
|
||
このコーナーでは具体的なセッティングはしていません。 なぜか?と言うとセッティングと言うのはカートによって違いますしドライバーによっても当然違います。(セットが同じでもドライバーが違えば同じ操作が出来るわけ無い) アクセルワークも個人差がありますしハンドルの切り角も同じに出来ない。 なんて訳で、このカートにはこのセッティングだ!何てことはしませんでした。(当たり前ですが) 特に初心者の方はあまりセッティングの変更はしない方が良いと思いますし、(カートに馴れていないのにセットを変えるとカートの動きが変わってしまう) 基本セッティング(買った時にしてあるセット)でもかなりのタイムが出るはずですので、初心者の方は基本セットで走り込み、レースに出れるぐらいのタイムが出るようになってから『なにがどう動かない』あるいは『なにをどう乗りにくい』と言うのをセッティングによって解消していけば良いのではないでしょうか? けして、『カートとセッティングが完璧であとはドライバーの腕だけ』なんてことはありえません。 また、『このセットで走れないとだめだ』とか『これは速い人のセットだからこれでOK』 なんて事もありえません。 要は、実走してだめな事(どうしてもトラクションがかからないなど)をセットによってカバーしてあげれば良いと思います。 ドライバーの仕事としては、どんなセッティングでコースに出ても速く走ろうとする事、 曲がらないのなら運転を変えて曲がるようにする、立ち上がらないのなら立ち上がるように運転を考える、と言うのがドライバーの仕事です。 決して、安易に、『曲がらないからセッティングを変える』『立ち上がらないのはカートのせいだ!』なんていうのはいけません。 |
||